たくとのこと (1) 「いのちを引き受ける覚悟」

子供の頃のたくと

今日も会えた、うれしいね。

そうだね、本当うれしいね。

(約束/染矢敦子)

16歳のうちの老犬ちゃん。

たくとのことを書きたくなった。

犬は結婚して、一軒家に住んだら飼おう

そう思っていたけれど…

両方がまだそろってない、ある夏の日、私はふと思いたった。

「犬を飼おう」

実家にいたチャムは、親戚のお姉さん家からもらった犬。

たくとは、ペットショップ。

まだ、ワンワンライブもしていなくて

捨てられる犬がたくさんいることも知らなかった頃。

たくととの出会いの場面はしっかり覚えている。

表のショーウインドウではなく

その後ろのスペースをちょろちょろ歩いていた小さな小さな茶色い犬。

犬を飼うというと色んな人に反対された。

特に両親には強く反対された。

父には「どうせ飼えんくなって、うちに連れて帰るんやろ!」

と怒鳴られた(笑)

「迷惑かけない!!絶対、最後まで飼う!!!」

今、思うとその反対が私の気持ちを強くしてくれたんだと思う。

命を引き受けること。

それがどれだけ大きなことなのか。

きっと人生で最初の大きな「覚悟」だった。

私がそれからの人生、強く生きているのは

この「覚悟」があったからだと思う。

子犬の頃の愛犬たくと

命を引き受け、守ることで

逆に私が生かされ、支えられていく。

小さな小さな犬との大きな大きな出会い。

つづく

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