この歌は、祖父が亡くなった年に作ったもの。
ー時々、潰れそうになる。そんな時、貴方を思うー
祖父がいなくなってもう随分、経つけれどやっぱり祖父を思う。
夫と暮らし始めた頃、大げんかをして、家を飛び出したことがある。その時、祖父ならなんて言うだろうと、できればかばってほしくて想像した。
そしたら「あっこが悪いぞ」と祖父の声が聞こえるような気がした。
そっか、そうだよね。なんだか冷静になってうちに帰った。
祖父と祖母の生き方や考え方は私の中にずっとある。
体の弱い祖母より、祖父は長生きするつもりでいたけど、先に逝ってしまった。
手術で入院する前に電話をかけると「じいちゃんは病院だから大丈夫。ばあちゃんが一人で家にいるから、ばあちゃんに電話して」と言われたことがある。祖父は、自分よりも祖母をいつも大事にしていた。
お葬式の日の朝、ソフトクリームのように立ち上がった寝癖をつけた祖母が「ばあちゃんは足が悪いから、お葬式、来んでいいって、じいちゃん言ってるわ」と小さく笑った。私はそうだろうなと思った。その時の祖母の顔、しっかり覚えている。そして「ばあちゃんが転けてももう起こしてくれる人はおらん」って、呟いた…胸がぎゅーって締め付けられた。
祖母にとって、これ以上ない人で、だからこそ、出会えた幸福と別れの痛み、どちらが大きいんだろうと思ったんだ。
いつ行っても、私を私のまま受け入れてくれた、いつも笑顔、いつも果物があった居間。字を書いて、短歌を書き、絵を描き、夏は大きな音で甲子園が流れていた。「あっこ、スイカ食べる?」ってね、声、まだ聞こえるみたい。8月13日は祖母の誕生日、15日が命日。だからこの歌を選びました。
祖父と祖母のエピソードはたくさんあるんです。あったか〜いの、いくつも。
また書こうと思います。二人の歌もまだあります。また投稿しますね。
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