メイ・チロ・チビ(4)

愛犬ちび

生まれた時から一緒にいるお姉ちゃんが突然いなくなった。

チビは、いつも遠くを見ていた。

「どこにいるの?」

「いつ帰ってくるの?」

チロを待ち続けているように見えた。

一番甘えん坊さんで、まるまる太っていたチビが

大人しくなり、どんどん痩せていった。

愛犬ちび
愛犬ちび
愛犬ちび
愛犬ちび

そんなチビに、「犬は犬」と言っていた父が変わっていった。

可愛がらなかったわけではないけれど、

父の中に明らかに見え始めた「いのちへの愛情や慈しみ」

チビもその父の愛情に答えるように、父にべったりになっていった。

夜も父と一緒に寝るようになった。

愛犬ちび

父の顔も、チビの顔もどんどん変わって行き、

笑うのが苦手な父が笑うようになった。

愛犬ちび
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